最近読んだ本から


読んだ本を並べてみる。本の背表紙を見ると自分の内面が表れてくるようだ。ある本を手に入れるとき、どんなふうにしているのか考えてみるといくつかのパターンがあることがわかる。

1.新聞の書評を読んで、読みたくなる
2.書店に並んだ背表紙を何となく眺めているうちに
3.書店で、読みたい分野の本を眺めているとき
4.仕事上、必要な本をさがしているとき

ざっと、こんな状況が考えられる。ぼくの場合圧倒的に1と2のパターンが多い。そういうときの心理状態は、何かに飢えているときと言える。
さて、最近の本の傾向を見てみると、歴然としている。ある作家に偏っている。日常から離れているが人間臭さを求めている。振り返ってみると、最近は星の世界にはまっていた。彗星の追っかけなどが続く。仕事では常にパソコンと向き合いCADをやったり、レンズ設計をしている。常に現実から離れたところをさまよっていた。それも人間を抜きにした世界にはまっていたといえる。そんなときは決まって人間臭さを求めたくなる。知らず知らずのうちに自分の中でバランス感覚を保とうとしている証かも知れない。偏りすぎた自分を修正しないとどこかアンバランスになり、自分がどこかに行ってしまうような気分になるからだろう。こういうことは本に限らずある。旅行などもそうだ。仕事に疲れた心身を癒すために旅に出る。田舎に行く。普段と違った時間を体験することにより自分を揺り戻す。だから逆に言うと、田舎に行きっぱなしだと逆の揺り戻しがあるのだと思う。田舎に住みたい願望はぼくの中に常にある。しかしそこに足を踏み込めば逆の心理状態が働くに決まってると思うので、今の生活パターンを維持し続けているのだ。
2004/06/27