銀河の距離を測る



遠くの銀河までの距離はどうやって測るのだろうか?そんな疑問を持ったことはないだろうか?ものさしで測るわけにはいかないのだから。そこに登場すのが宇宙の灯台「セファイド型変光星(ケフェウス型変光星)だ。 

セファイド型変光星は、明るさを規則的に変える変光星の一つである。この星は1〜50日の周期で 規則正しく縮んだり、膨らんだりしているのだ。そのとき明るさも、 1等級くらい変化する。その代表的なケフェウス座(Cepheid)δ星の変光曲線は下図のように規則正しい。


アメリカの女性天文学者リービットは、隣のマゼラン銀河の中にある多くのセファイド型変光星を観測しておもしろい事実を発見した。マゼラン銀河までの星々までの距離はほとんど同じと考えてもいい。同じ距離の同じ明るさの星は、当然のことながら、同じ明るさに見えるだろう。それなのに、周期の長い変光星ほど見かけの明るさが明るいのだ。これは、星そのものの明るさ(絶対等級という)が違っているからに他ならない。絶対等級というのは、星を一定の距離(32.6光年)に置いたときの明るさで、星どうしを比べるときにはどうしても必要な明るさだ。

セファイド型変光星は、
変光周期が長ければ、絶対等級が明るく、短ければ暗い



という単純な性質を持っているのだ。変光星の周期を観測から決めてやると、絶対等級が分かる。光の明るさは、距離の二乗に反比例しているから、星が遠く離れるほど暗くなる。だから、「みかけの明るさ」と、「変光星の周期から求めた絶対等級の明るさ」から銀河までの距離が求められるというしかけなのだ。
銀河の距離を求めるひとつの方法が、このセファイド型変光星を利用することなのだ。