ティーエスワン(TS-1)


放射線治療が終わり、再び抗癌剤治療が始る。放射線治療の効果が現れるのは一ヶ月後なのでまだまだ先だ。今まで使われてきた抗癌剤は効果が薄れてきたため、使用できない。今回から使用するのは点滴方式の抗癌剤ではなくて、ティーエスワンというカプセル服用である。
 今年の7月か8月に新しい抗癌剤が認可されるということで、それまでの繋ぎとしての性格が強い。副作用としては、今まで同様、吐き気、食欲不振、白血球減少などがあるという。そのため、2週間に一度程度の血液検査が必要。28日間朝夕2回服用し続けて、2週間休むという繰り返しをする。癌を小さくするというよりは、大きくならないように抑えるという程度に考えておく必要があるだろう。癌の場合、小さくするということも重要であるが、大きくならないように抑制するということも重要であることは癌との4年あまりの長い付き合いの中で判ってきた。また抗癌剤との長い付き合いになりそうだ。


TS1-1の特徴
 ティーエスワンはテガフール(FT)、ギメラシル(CDHP)、オテラシルカリウム(Oxo)の3成分を配合した経口抗悪性腫瘍剤。 FT:CDHP:Oxo = 1:0.4:1

テガフール
FT

 5-FUのプロドラッグであり、主として肝ミクロゾームP450(CYPsA6)により徐々に5-FUに変換される。

ギメラシル
CDHP

 主として肝に多く分布する5-FUの異化代謝酵素のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)を選択的に阻害(可逆的)することにより、テガフールより派生する5-FU濃度の上昇に伴って、腫瘍内では5-FUのリン酸化代謝物である5-フルオロヌクレオチド(FUMP等)が高濃度持続し、抗腫瘍効果が増強する。

オテラシルカリウム
Oxo

 主として消化管組織に分布してオロテートホスホリボシルトランスフェラーゼ(OPRT)を選択的に阻害し、5-FUからFUMPへの生成を選択的に抑制する。その結果、ティーエスワン投与により5-FUの強い抗腫瘍効果を損なうことなく、消化管障害が軽減されると考えられている。

 
国立がんセンター・がん情報サービス
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 記:2008/5/26