ミステリー作品




「白夜行」がテレビで放映されている。息子がどういうわけか、このドラマにはまっている。第1回の放映を見た後、文庫本を買ってきた。かなりの厚さの本だ。
 話はこの本ではなくて、今読み終えた「容疑者Xの献身」だ。同じ東野圭吾の作品。読み進めるうちに、聞いたことのある人物が出てきたのでびっくりした。いわゆる探偵ガリレオだ。大学の物理の助教授であるが、彼には刑事の同期生がいて何かと事件の捜査に行き詰ったときに相談に来る。物語的には初めから犯人の目星はついている。どうして犯行に及んだかの動機、犯罪手口、トリックなどをガリレオ先生独特の推理力で解決していく。刑事コロンボみたいな人物だ。
今回の作品も人物は同じでも人間の描き方が前の作品群に比べると深くなっている。というのも前作品が短編集であるのに対して今回は長編であるからだ。筋を言ってしまったら、ミステリーの面白さはないので、内容についてはこのくらいで止めておこう。であるが数学が出てくるところが既に読み終えた「博士の愛した数式」や「虚数の情緒」と重なり合って興味が持てたことだけは言っておこう。
「虹を操る少年」も彼の作品であるが、これも一風変わった物語だった。宮部みゆきとはまた違った魅力を持った作家で、何かと気になるひとりである。

【東野圭吾の略歴】
1958年大阪市生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒業。
「放課後」「秘密」「快笑小説」「探偵ガリレオ」「白夜行」「ゲームの名は誘拐」「幻夜」「容疑者Xの献身」ほか

2006/2/4 記