寿命を決める仙人たち
<いて座のお話>




ナレーター 


人相見
子供
人相見
子供


人相見

人相見



人相見




北斗

南斗
北斗
南斗

ナレーター

人相見

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昔、中国に、人相を見る名人がいたんじゃと。ある日のこと。
(畑でこどもが働いている。)

かわいそうに。おまえは20歳までは生きられないぞ。
本当に?
ああ。
大変だ−! か−ちゃん。 と−ちゃん。
(家へ行き、両親といっしょに戻ってくる。)
もし。あなたは、この子が20歳まで生きられないとおっしゃったとか。
ああ、言った。この子の顔には、そのことがちゃんと出ているのじゃ。
お願いでございます。なんとかこの子がもっと長生きできるようにして下さいませんか。
気持ちはわかるが、無理を言っては困るな。これは、寿命というものじゃ。
人の力では何ともならん。
それを何とかできませんか。
お願いします。さあ、お前もたのんで!(3人でたのむ。)
ではこうするが良い。明日、良い酒と魚を持って畑の向こうの大きな木の根もとへ行くのじゃ。
そして、そこで囲碁をうっている仙人2人に酒と魚をすすめなさい。ただしけっして口をきいては
いかんぞ。

(親子たち、大木の根もとへ行き、酒と魚をすすめる。)
お前たちは何しに来たのじゃ。
(親子は何も答えず、おじぎする。)
ごちそうになったからには、何かお礼をしなくてはな。
だが、この子の寿命はもう決まっている。19だ。変えるわけにはいかん。
う−ん。ではこうすればどうじゃ。十九をひっくりかえして九十。

これで、その子は90歳まで生きられることになったんじゃと。あとで両親が人相見の名人に
会って、お礼を言うと、
あの仙人たちは寿命を決めるのが仕事なのじゃ。一人は南斗といって生の係、一人は北斗
といって死の係りでな。人の寿命は、みんな、あの二人が話し合って決めるのじゃよ。
と、言。このお話の北斗は北斗七星。南斗は南斗六星という、ひしゃく型にならんだ六つの星
で、いて座の中にある。おしまい。


★ 長女が人形劇用に脚色した「いて座」のおはなしです。