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レポーター:岡崎佳子 
 
1.出発前夜編 


そもそも、何をしに北海道へ行ったのか。
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2002 in EZOというコンサートが、8月16日の午後と17日の午後からオールナイトで朝の5時半まで、石狩湾新港野外特設ステージで開催されたのである。
前日からテントサイトにテントを張って泊り込み組みもいる中、私達親子は、スケジュールとお金の都合で、この弾丸ツアーを選んだ。17日の朝出て、オールナイトライブに参加して夜を過ごし、18日の朝の飛行機で東京へ戻るコース。他には夜行寝台列車コースとか前日あるいは翌日ホテルおとまりコースとか。
チケットや往復の説明が記された書類の中には、確かに書かれていたのだ。「夜は10度くらいまで下がります」と。。。
しかし、あの頃のあの猛暑の中で生活していた私達は、「あー、肌寒いなんて、言ってたみたいね」などとお気楽に考えながら、トレーナーを1枚、それぞれのバッグに押し込んで、念のための折りたたみ傘1本と雨用ビニールポンチョ2枚も用意して、就寝。
敷物がないことに気付き、現地調達を考えつつも、ないことを想定して大きなゴミ袋2枚も詰め込んだ。
明日は4時起き、もう10時過ぎたら寝よう!と思っていたのに、なかなか寝付けない。目覚ましは大丈夫?忘れ物はない?と、小学生のよう。ええ、私がね。

2.会場についた編 

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朝5時に家の前までつけてもらったタクシーに乗り(何の事はない、アパートを出たところの道路にとまってもらっただけ)、川口駅へ。料金1000円にも満たない距離で、十分自転車でいけるのだが、帰りはヘロヘロで運転は大儀であろうということで、タクシーで乗りつける。
がらすきの京浜東北線に乗り、浜松町へ向かう。浜松町からモノレールに乗って空港へ。町はまだ起きていないのに、大井競馬場の馬達は、朝のひとっ走りに出かけた模様。遠くから見ても馬のしぐさはかわいい。
出発1時間前についてしまったので、敷物を探すが…ない。
娘の思い描いているサンドイッチを探して売店を端から端まで巡るが…ない。適当なものでお茶を濁して、チェックイン。7時25分発の札幌行きに乗り込み、寝る。
寝ている親子を乗せ、あっという間に北海道につく。ちょっと涼しげで霧雨も降っている。バスに乗って約2時間。この間の景色もおしいことにほとんど見ることなく、寝る。
ついたとたん、待っていたのは大快晴!日差しが痛い。帽子やらタオルやらまとって開会を待つ。だらだら並んだ列はやっぱりだらだらと進み、昨日からの参加者がその列の脇を足早に通り過ぎる。う〜〜ん、みんなかなりの重装備である。敷物だって、マット付きの銀色のをまるめて、かかえて持ち歩いているし、あのでっかいリュックには、冬支度が詰め込まれているに違いない。「北海道だぁ」と浮かれている娘のそばで、一抹の不安をいだく私。
そうこうするうちに会場へ。ピンクのリストバンドをつけて、ゲートをくぐる。開演までまだ2時間。まずは会場の探検だー!! 

3.怒りの腹ごしらえ編 

時間の流れではなく、食べた物を列挙します。

フェスティバルはお祭りだ。お祭りといえば、たこ焼き・焼きそばでしょう、ってんでまずこの二つを買う。よしよし、ベンチも空いたし、さ!食べよぉぉぉぉ!(パク。パクパク)お・お・お??お・お!!!
焼きそばは娘の苦手なたまねぎ入りで、ソース味は薄く青海苔なし。
たこ焼きは焼きがいま一つで、妙に油っぽくて、タコの入っていない玉がある。許せん!
お口なおしにフランクフルト!と買いもとめたところ、これまた焼きが甘く、噛んだ時の、あのプチッというかパキッというか皮を噛み切る感触が皆無。更に味わってみると、これはフランクソーセージではない!断じて違う(激怒)!情けなくて泣けてきた(おそらく魚肉と思われる)。
広大な会場を囲むように屋台がでていて、道路の向こうの会場では特設ローソンまで出展していた(←これは夜中に知った)。
反対側のお店で妙に人の列の並んでいる列が気になった娘は、「今度こそ!」と祈る気持で再びたこ焼き焼きそばセットに兆銭。よせばいいのに。嗚呼・・・。たこ焼きはチーズ入りが売り切れ、次の人から復活という運のなさ。焼きそばは玉ねぎが入ってないだけ救われた。
他に食べたものは、カキ氷、チゲライス、カルビクッパ、ジンギスカン、焼きとうもろこし(醤油ではなく、蒲焼のたれを塗っていた)、じゃがバター、ボルシチ、肉まん。
夜中はおなかがいっぱいでも、温まるために飲んだり食べたり。暗がりでよく見えないから、何が入ってるのかは自分の舌で確認。

私達が怒ったのは、「おいしくない」という味についてでない。味覚には個人差もあるだろうし、第一食べ物に対して失礼である。
そうではなくて、「うそを書いてはいけません」ということなのだ。大阪名物と書いた以上、大阪の味を出してくれなきゃ。フランクフルトと書いたならフランクフルトを売らなきゃ。ということである。
しかし、さすがに大地の恵みは裏切らないね。とうもろこしとじゃがいもは、本当においしかった。

さて、この0泊2日で私達親子が取った水分はどのくらいになるでしょうか?

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ネットで調べると、あるはあるは、こんなにいっぱいのお店

お店

メニュー

1

焼き肉(牛、豚、チキン)、ブラジルコロッケ、パステル、チョリソ
ジュース、ジャンバラヤ、タコス、他

2

ボロネーズ、ポモドーロ、イタリア風串焼き、ミネストローネ
ドリンク、ビール、発泡酒、コーヒー

3

ラーメン、チャーシューメン、かき氷、ビール

4

コーヒー(ホット・アイス)、紅茶(ホット・アイス)、カフェオレ等
カプチーノ(ホット・アイス)、キャラメルカプチーノ、ドリンク類

5

焼きそば、たこ焼き、カレー、アメリカンドック、ジャンボ焼鳥
オムそば、ジュース、他

6

ラーメン、豚丼、焼きそば、ジャンボ焼鳥、たこ焼き、お好み焼き
あげいも、他

7

エスプレッソ、カフェラッテ(ホット・アイス)
カプチーノ(ホット・アイス)

8

ビール、ジュース、カクテル各種、ホットコーヒー、ホットミルク

9

カレー&ナン、インド風焼きそば、タンドリーチキン、シークカバブ
ラッシー、他

10

バッグ、アクセサリー、おもちゃ、珍味、生ビール、のり巻き
いなり寿、ジュース類

11

ラーメン、焼きそば

12

醤油ラーメン、かき氷

13

おさつスティック、フランクフルト、そば、牛丼、ジンギスカン、いなりセット、整理用品、他

14

ビール、カクテル、ジュース、コーヒー、氷水、焼鳥、豚汁
焼きとうきび、おにぎり

15

ラーメン

16

ビール、カクテル、洋酒、ワイン、コーヒー、ソフトドリンク、茶類

17

スティックコロッケ、アメリカンドック、峠の揚芋、唐揚棒、焼そば
お好み焼、たこ焼揚、ジャンボフランク

18

Tシャツ、サンダル、リメイク古着、雑貨、小物、アジア小物
インディーズブランド、駄菓子など

19

とうもろこし、おにぎり、ジンギスカン、Tシャツ

20

アイスカプチーノ、カフェラテ、バナナシェイク、フラッペ
フローズンカクテル、コーヒー、カプチーノ

21

ラーメン、そば、うどん、カレーライス、唐揚げ、かき氷、ビール
ジュース

22

カレー、スープ、煮つぶ、クッパ、デザート、ビール、ドリンク
Tシャツ、タオル

23

カレーうどん、キムチうどん、カットフルーツ、コーヒー
冷やしぶっかけうどん、冷やしたぬき

24

生ビール、ウイスキー、ジュース、カクテル、パン類、ごはん類
トルティーヤ、コーヒー、Tシャツ

25

ベトナムスープヌードル

26

たこ焼き、お好み焼き、焼きそば

27

生ビール、カクテル各種、ソフトドリンク、お茶、紅茶、コーヒー
スープ、カップ麺、雑貨

28

おにぎり、カップラーメン、焼鳥、おでん、ジュース、他

29

牛の丸焼き、カレー、焼きそば、いももち、あげいも、うどん、そば、とりもも焼き、他

30

ドネルケバブ、フェラフェル、ビール、ジュース

31

発泡酒、大阪のイカ焼、玄米トマトリゾット、スープ
白玉ココナッツぜんざい

32

生ビール、パスタ、ハヤシライス、カクテル類、おにぎりセット
衣料品

33

お茶漬け、うどん、えだまめ、ビール、発泡酒、ソフトドリンク

34

エスニックスープ、エスニックドック、ビール、カクテル
ソフトドリンク、ワイン

35

焼鳥、フランク、焼きそば、おにぎり、かき氷、ビール、発泡酒
豚汁、他

36

ビール、ジュース、日本酒、チューハイ、そば、木炭セット
コンロセット、うどん、焼きそば

37

タコ焼き、フランク、タコライス、クラムチャウダー、茶漬け
北海磯焼、生ビール、トロピカルジュース、他

38

カレー、カップラーメン、豚汁、アルゼンチンドッグ、ナンタコス
さけ鍋、発泡酒、フェイスペイント

39

ジュース、ビール

40

ジンギスカン、塩ホルモン、ライス、フランク、枝豆、トウモロコシ
発泡酒、ジュース

41

タイヌードル、ぶっかけご飯、発泡酒

42

チキンステーキ、生ビール、水、冷茶

43

ピデサンド、ビール、発泡酒、焼き肉セット、スープ、ワイン、服
トルコ酒、お茶漬け

44

トムヤンクンヌードル、アジアンボール、サテ

45

やきそば、フランク、そば、うどん、ステーキ、豚汁、串焼、いか焼き

46

焼きそば、ラーメン、そば、うどん、豚汁、フランク、焼鳥
焼きイカ、フラッペ

47

衣類、他

48

串焼きもち、雑煮、かき氷、しらたまアイス、しるこ、きなこ
ごまだんご

49

ラーメン(醤油)

50

ピッケルアイス1.1kg、ブロックアイス1.5kg、ピッケルアイス4kg

51

焼きそば、お好み焼き、フランクフルト、ラーメンビール
ソフトドリンク、すし、弁当類、おでん、他

52

アルコール類、ソフトドリンク、スナック類、雑貨

53

炭焼串焼、キムチ鍋、発泡酒、特製あまから手羽先唐揚げ、生ビール、他

54

ピタパン、スープセット、コーヒー

55

コーヒー、アイスカフェラテ、ラテチョコレート、ビール、チョコバナナスムージー菓子パン、Tシャツ、他

56

タイ風ラーメン,ビール、チャイ、ムーヤン、カレー、他

57

カクテル、トルティーヤロール、スープ、スムージー、CD、ウエア

4.ミュージシャン紹介編

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お昼過ぎからのサウンドチェック、なんかムラがあるなあと思っていたらでっかいスクリーンに文字が現れ始め、アナウンスが流れ、おぉ、いよいよだ!と陣取っていたところ(敷物がなくてゴミ袋を敷く)、ここは緊急車両の入る通路だからどけといわれ、素直にどいてみた。でもしぶとい人も多く、結局はそこも見物席と化していた。泣く泣く退散した正直者のストレス度アップ。
さて、最初に登場するのは奥田民生さん。会場が割れるような拍手と歓声で迎えたからといって、音も割れる必要はない。有名なのは知ってるけど、歌はあまり知らない。
二つ飛ばして16:15から東京スカパラダイスオーケストラ。これは私もノリノリ。ずいぶん前、彼らのマンボNo5とキーハンターのテーマを聞いたことがあるが、衰えてない。益々盛んという感じ。
一度会場を移動して元ちとせの歌を聴いて戻り、その次が娘のお目当て、ミッシェルガンエレファント。これはほんとにカッコよいのよ。
初めて聞いたときは、なにどなってんの?と思ったけど、歌詞もルックスも音もなかなかきまってて、のこのここのツアーにもついてきたというわけ。
次は20:25からの井上陽水さん。既にだいぶ寒くなってきていて、チゲライスやカルビクッパをとなりのテントの貰い灯で食べてたのはこれが始まる前。歓声が上がり、そろそろだな、と思ってたらギターのイントロが聴こえる。あら、「とかいでは〜!」って唄ってる。『傘がない』ではじまるとはね。若者に受けるのかしらと思ってたら、すっごい勢いでみんな走っていって聞いてました。少年時代・アジアの純真・リバーサイドホテル(でいいんでしたっけ?)・飾りじゃないのよ涙は・Good night(News23のエンディングだった曲)などなど、確かに乗りますわね。
次は忌野清志郎&矢野顕子。お目当ての曲はやらなかった。
彼らの出番が終ると既に日付は変わっていた。
22:40からはマッドカプセルマーケットというラップバンド。何語で唄ってるの?と娘に聞いたら、これは日本語だよ、といわれた。私はちょっとパスだ。

この後また会場を移って、ロザリオス、ロッソとつづきます。ロザリオスは、俳優のタケダシンジがサックスを非常にカッコよく吹きまくり、女性ベーシストのトッキーはエレキベースからウッドベースから弾きこなし、めちゃくちゃカッコイイ。すっかり虜になりました。
そのあと特設ローソンに肉まんを買いに言ったら、別の会場で清志郎が「こんな夜に、ハッシャできないなんてぇ〜」と歌っていて、しまった!こちらでやられたか、という感じ。
真夜中、とにかく人の集っているところを転々と移動(焚き火もしていたが、入れなかった)。人を風除けにしてたのである。半端ではない寒さ、私ら親子は全くの無知であった。
後はもうセッションタイムで、謎の銀髪のギタリストやらスカパラの人やら遠藤ミチロウさんやら、延々朝までやっていた。
われ等親子は、そのセッションを聞きながら、干草ロールを背にして、ゴミ袋をしき、ビニールポンチョをかけて1時間半ほど睡眠を。凍死するかと思った。とにかく風が冷たくって、泣きそうだった。
朝、ブームの出番前に起きたけれど、体力の限界でパス。

5.弾丸ツアー最終編 

愛川町は燃えてますね、ほんとに。こうなる前に書き終えておくのだったと後悔しつつ・・・。

5時前から空港行きのバスが20台くらい止まっていて、これはもう乗り込めるのでは、と思い案内係の人に聞くとOKというので、会場を後にわき目もふらず先頭のバスを目指す。本当に寒かった・・・。
同じような人が既に座席に埋まって熟睡していた。冷たい風から逃れてほっとしていると、あれ?なんだなんだ!手がかゆい。腫れてる感じもする。かぶれるような植物にさわった覚えもなく、もっていったかゆみ止めを塗るが、ポッポポッポと熱く赤くなってゆく私の手。痒い!カユイ!か・ゆ・い〜!しかしこのかゆみ、なんだか記憶にあるぞ。痒いんだけどちょっと痛くて、あ〜!と思い出したのと、娘が「お母さん、それしもやけじゃないの」といったのは同時であった。そうそう、これはしもやけだ!だって、夜中の私の手は氷のように冷たかったのだから。
相手がしもやけではどうしようもないので、やさしくなでなでしながら睡魔の協力を得て寝ることとした。あら、娘はもう寝てる。で、目が覚めたら空港。
弾丸ツアーのメンバーはこの飛行機に乗っているので、離陸前からみなコックリ、またはグッスリ。ドリンクの機内サービスも、ほとんどの人が寝ているために、「お目覚めシール」のオンパレードでそれはそれは見事な眺めだった。私は意地汚いので、こういうサービスは抜け目なく頂戴している。ちゃんと目が覚めるのだもん!
モノレールもJRもたくしーも寝ながら帰ってきて、お昼には部屋に着いた。31時間で北海道往復、ロックフェスティバル参加、って夢みたいだ。
お風呂に入って残り湯で洗濯しようとバケツでお湯を汲んでいたら、すべって転んでお湯をかぶって床がお湯浸しになってすり傷とうちみをこしらえて、私の弾丸ツアーは幕を閉じた。(完)