角館・武家屋敷



秋田新幹線で3時間10分強でみちのくの小京都「角館」に到着する。盛岡から西に向かうにつれて山間を走るようになりトンネルも多くなる。盛岡からはなぜか単線である。途中上下線すれちがいのため駅で待つというのも東北ならではののどかさなのかもしれない。線路沿いに渓流が流れているところでは、水はあくまでも清く底が見える透明度を保っている。田沢湖を過ぎ、角館に近づくにつれて田園風景が広がってくる。角館駅前はいかにも田舎に来たなという感じで観光地特有の雰囲気はない。春は桜で賑わう観光地であるのに今は閑散としている。ゆっくり歩いて15分くらいか、東勝楽丁(ひがしかつらくちょう)から表町下丁(おもてまちしもちょう)にかけて武家屋敷群が散在している。角館では黒板塀が至るところで目に付く。派手さはなく落ち着いた雰囲気を醸し出していた。いかにも清貧さが漂う武家屋敷といった風情だ。山形の作家・藤沢周平の映画「たそがれ清兵衛」のロケ地としてなぜかこの地が使われている。山田洋次監督は全国、撮影場所を探してここをやっと見つけたという。早く見つけていれば寅さんにも使いたかったという話を松本家のご主人からうかがった。


小田野家の黒板塀
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河原田家


岩橋家

山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」のロケに使われた岩橋家

武家屋敷には蔵を持っている所が多い(青柳家)

青柳家がこの辺りでは一番大きい。「隠し剣鬼の爪」の撮影場所としても使われた。中にいろいろな販売店もある。角館は樺細工が有名。樺細工は山桜の皮を削いで薄くし、ニカワやコテで張り合わせ、それを木型や木地に重ねて貼ったり、模様に切ったものを重ねて制作する。

たそがれ清兵衛のロケに使われた松本家。かご造りをしているご主人から、撮影の時に庭の柵などが取り除かれたという話を縁側に座り込みながらうかがった。


背丈ほどもある秋田蕗


 河原田家
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桧木内川(ひのきないがわ)に沿って桜並木が2kmにわたって伸びている
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秋田名物「きりたんぽ」を食す。比内地鶏や「がっこ懐石」もおいしいという。ちなみに「がっこ」とは漬物のこと。
漬物の「いぶりがっこ」と「きりたんぽ」を土産に帰途につく。

2007/7/10 秋田県・角館にて