フェーレンベルグさんフェーレンベルグさんは非常に穏やかな
人でした。僕はあがってしまって、何を話
してよいか分からなくなり、ただ、彼の話
を聞いているだけでした。
日本の天文家では、藤井旭さんをよくご
存じで、彼の写真に対する情熱を誉め称
えていました。
別れる間際、彼のサイン入りの著作を戴
き大感激です。
握手したときの手の暖かさを今でも覚えて
います。

(西ドイツ、ケルンのフォトキナ会場にて)
               1984年10月

フェーレンベルグの息子さん
フェーレンベルグの息子さんは、フォトキナの終了のとき、楽しい企画をしてくれました。
それは、みんなから見えないように、布をかぶせた物を持ってきて、「これから最後の
乾杯をしましょう」と言い出しました。布を厳かにとると、そこにはセレストロンの望遠鏡
がありました。彼はおもむろにコップを持って、接眼部のあたりに持っていくと、コックを
ひねります。するとどうでしょう。ワインが中から出てくるではありませんか。してやられ
たりとはこんなことを言うのでしょう。望遠鏡の中にワインの大瓶をしこませてあったの
です。

ケルンの夜

雪が舞うケルンの夜