光軸調整の必要性



現在、口径200mm焦点距離800mmのニュートン式反射望遠鏡(ビクセンR200SS)を主に使っている。この望遠鏡は調整がシビアで光軸調整の良し悪しと鏡の固定のしかたによって像に影響をもたらす。F8くらいの望遠鏡ではこれほどシビアでなくても結構見えるものである。最近、調整をし直してからF4の鏡でも惑星の拡大撮影に十分使えることがわかった。今までいかに疎かに望遠鏡を使っていたかを痛感している。
 ニュートン反射の光軸調整は、斜鏡の傾き・回転調整と主鏡の調整の2段階で行う。今回の場合、主鏡は後部環に主鏡セルを接する形で取り付け、斜鏡の調整だけでうまくいった。もし見えが悪ければ主鏡の傾き調整が必要であるが今回はその必要がなかった。こうなるためには後部環が鏡筒に直角できちんと取り付けられているかにかかっている。光軸調整と同時に接眼部の鏡筒への直交度やラックピニオンの調整によって、性能と共に使いやすさが向上する。接眼部が鏡筒に対して直角についていないと、片ボケの原因を作ってしまうが、この鏡筒に関してはその心配はなかった。
 もしお持ちの望遠鏡の見え味が悪いようであれば光軸の再調整をお勧めする。もし自分での調整が不安なようであればメーカーに修理に出すといいだろう。そのとき主な使用目的(撮影か眼視か)を明記してやると、ラックピニオンの調整(固め、柔らかめなど)をそれに合うように調整してもらえる。この調整を厳密にすると、ピント調整時の像のシフトを押さえることができるし、WEBカメラでの惑星撮影では視界が極端に狭いためピント調整に大いに影響する。

接眼部から覗いた斜鏡(4本サポーター付)と主鏡の像

 調整前の土星像 】

 調整後の土星像 
調整前と比べるとカッシニの空隙の写り方が断然違うのが分かる
記:2006/12/22