京都・奈良の旅

5月4日から7日まで京都・奈良の旅に出た。初日は良く晴れ渡り気温もしだいに上昇し汗ばむ陽気だ。29度近くまで上がったらしい。それでも嵐山のふもとは人、人、人の波。渡月橋の歩道は行き交う人もお互いに肩が触れるのを避けるようにして通行していた。河からの風はさわやかであった。
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渡月橋   
 
若葉はあっという間に色を濃くしてゆく。保津川では涼を求めてボートを漕ぐ人も多い。

天竜寺の庭園を見てから北側の竹林を抜けて亀山公園へと入る。ここの竹林を歩いていると、いかにも嵯峨野に来たという想いがする。今日は2時間の時間内で行ける所までということなのであまり遠出はできなかった。


  天竜寺の達磨絵


二日目は宇治の方を散策することにした。JR宇治駅から宇治川が見えるところまで来ると、右に平等院への参道が始まる。さすがにお茶のお店が並んでいて、新茶のいい香りが漂ってくる。

宇治川
平等院鳳凰堂は関白藤原頼道が父道長の別荘を寺に改めたのがはじまりという。十円玉の裏に描かれているあの姿が目の前に見えている。本尊の阿弥陀如来は現在修理中で見ることはできなかった。

平等院鳳凰堂

宇治橋を渡って右手に折れる。少し行くと宇治上神社に着く。檜皮葺きの屋根の下に広がる吹き抜けの社。開け放たれた戸や窓がキャンパスの額を形作っている。

宇治上神社
宇治上神社を出て右に折れて三室戸寺へと向かう。途中、源氏物語ミュージアムで平安時代にタイムスリップ。ここから1kmくらい北上すると三室戸寺に到着する。ここには2万株のつつじ植えられていてこの時期人の出が多いところ。山全体がピンク、白の鮮やかな色で塗りつぶされている。手前に直立する木々が格子戸の役目をしているようだ。

三室戸寺
三室戸寺は石楠花の種類も多い。はじめて見る花々の色合い。
三室戸寺の三重の塔
 つつじの季節が終わると、次はあじさいが待っている。

時間に余裕もあったので、急遽清水寺の方に行くことにした。途中、河井寛次郎記念館に寄る。河井寛次郎は大正から昭和にかけて活躍。文化勲章を辞退した無冠の陶工として知られている。その住居を記念館として公開。裏手には登り窯がある。河井寛次郎のことばに「手考足思」(手で考え、足で思う)があるが、好きな言葉だ。

河井寛次郎記念館

登り窯
この家は彼自身の設計。独特の雰囲気を持っていて落ち着ける場所だ。

 吹き抜けから下を見下ろす風景もまたいい!

清水の舞台が見たくて、また来てしまった。夕方近くに行ったせいか、思ったほどの人の出はなくゆっくりと楽しむことができた。

清水寺


三日目は奈良へと足を運ぶ。二日間の晴天とは打って変わって雨の中、京都駅から近鉄で大和八木まで行き、乗り換えてまずは長谷寺へと向かう。やや肌寒い陽気だ。登り回廊の両側には牡丹が植えられている。今年は暑さのためか花も早めに咲いて、すでに盛りを過ぎ終盤を迎えていた。いつもなら今頃が一番良いはずと思って来たが少し残念。

奈良・長谷寺
早めに長谷寺を切り上げて興福寺、東大寺へと向かった。東大寺は以前に行ったときには大仏殿の昭和の大修理の時で建物全体が白い囲いで覆われていてその姿を見ることができなかった。奈良公園内は雨であってもそこかしこに鹿の姿を見ることができる。

東大寺大仏殿
春日大社へと向かう。朱塗りの建物と藤の花が良く合っている。

春日大社

最終日は雨もあがり、金閣寺近辺を散策した。日がさしてくると張り替えた金箔が光輝き、それは美しい眺めだ。

金閣寺
龍安寺石庭では、しばし座り込んで考えに耽る。昔の絵図によれば背景の木々は松が設えてあった。今は枝垂れ桜やもみじに置き換えられている。

  龍安寺石庭

  すいれんとあやめ


   アオサギ
●「これも仁和寺のある法師、の法師にならんとする名残とて、おのおのあそぶことありけるに、ひて興に入るあまり、なる足鼎をとりて、頭にかづきたれば……」徒然草を思い出しながら庭を楽しむ。ここは回廊が多くて一味違った趣を味わうことができる。

仁和寺
2005/5/4〜7京都・奈良にて
宿泊:烏丸線四条駅近く