球レンズシミュレーション



レンズの基本とも言える「球レンズ」についてシミュレーションをしてみました。まず下図をご覧ください。



平行光線が左からやってくると、レンズで屈折してから、右側で光を結びます。この点が「焦点」と言われる点です。でも完全に1点には集まっていません。これが収差と言われるものです。良く見ると、レンズの中心付近を通った光は遠くに、周辺を通った光は近くにピントを結んでいるようです。こういう収差を特に「球面収差」と呼んでいます。

次にレンズを半分に切ってみましょう。


光の集まり具合が違ってきました。レンズの最終面から焦点までの距離が長くなっているのが分かりますか?半分にすると焦点距離は約2倍になります。

レンズの向きを逆にしたらどうでしょうか?



前のレンズと大きく違うのはレンズの内面で反射してしまって、光を集める作用に寄与しない光線(灰色線)が出てくることです。こういう光線は「全反射」と呼ばれています。ですからレンズ径を全部使ってないことと同じになるのと、レンズ内面で反射した光は、像の悪化を招いたりします。こんな風に球レンズ一つとってもレンズには、無限の可能性を秘めていることが分かるのではないでしょうか?