光線追跡



レンズを通過した光がどんな振る舞いをするかは、光線を描いてみれば一目瞭然となる。試しに凸平レンズの光線の振る舞いをお見せしよう。

1.無限遠から光がやってきた場合

光はある点で集まるのが分かる。これが焦点である。太陽光線を虫眼鏡に通したときに光が集中して燃え出す所だ。


2.無限遠からの光を3つの角度から通した場合

それぞれの角度の光が違った場所に焦点を結ぶのが分かる。こういう描画をすると、レンズ系の実視野が指定されているときに中心像、周辺像の振る舞いが見えてくる。中心と周辺で集光する位置が一平面上になくて湾曲した面にあることも理解できる。


3.有限の距離から光を発射した場合

光の発散の様子が分かるようになる。光の発射点を焦点に置けば、平行光線が出てくる。こういったシミュレーションは投光光学系に応用できる。

4.光線を曲げたい場合

途中に平面鏡を45度の角度で入れてみる。そのとき反射を表すためにガラス名の符号を変える必要がある。第3面のガラス名が-AIRになっているのはそのためだ。光は鏡で反射されて90度曲がるはずだ。その光線を描くためには像面を90度回転させて上下方向に移動(シフト)させる必要がある。こういう処理をレンズデータ表に施すと上のようなシミュレーションが可能だ。

これらのシミュレーションは「OPT98」で行なった一例です。詳しいことをお知りになりたい方はOPT98のページをご覧ください。
OPT98のページ