庚申塔



庚申は十干十二支の組み合わせのひとつで「かのえさる」、あるいは「こうしん」と読む。
10と12の最小公倍数が60であることから、60日ごとに庚申日、あるいは60年ごとに庚申年がやってくることになる。「還暦」の祝いは、60の干支の組み合わせが一巡したことを意味している。

●人間の中には、3匹の虫が住んでいて、庚申の日に人々が眠っている間に、体を抜け出し天に上り、天帝にその人の善悪を告げると信じられていた。それだから、「庚申の夜には、一晩中起きていて、飲食を供えたり、真言を唱えて無事を祈る」という風習が生まれてくる。

●その後、路傍や小高い丘などに五穀豊穣、家内安全、無病息災、悪疫退散などを願って「庚申塔」が建てられてゆく。

●庚申塔には、「庚申」という文字だけのものもあれば、仏教系の「青面金剛」や、神道系の「猿田彦」が、同じ庚申塔として違和感なく各地で見られるようになる。猿田彦は「申=猿」からの連想と、天孫降臨のときに道案内役として登場したことに結び付けたようだ。

鳩山にも、道端に多くの庚申塔を見ることができる。そのいくつかを紹介しておこう。
  (参考)
  十干・・・・・甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
  十二支・・・子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
庚申の文字塔
青面金剛像

猿田彦の文字塔