庭の草花スケッチ



庭に面した窓越しに満開のカイドウが見えている。移ろいゆく四季の中で、草花が一番咲きそろっているのが今の季節だ。花に向かい合ってスケッチしていると、手術後の痛みもしばし忘れる。ぼくにとっては水彩色エンピツが合っている。一枚のスケッチに約1時間くらい費やす。その間に何度も何度も花びらや茎の曲がり具合、葉の光沢や影の出来方など良く見る。微妙な形や色合いの変化に気づく。デジカメでパチリと撮る写真とは違い、花と話す時間があるのがいい。昔、石仏写真に凝っていた頃、好きな石仏に出会うと何度も足を運び、長い時間その前でいい表情になる瞬間を待っていた。銀塩写真の時代、時間にゆとりがあった。決定的瞬間を撮ろうとこちらも身構えていた。失敗できないような気持ちがあった。デジカメの時代になり、気軽に何枚も撮れるようになると、あの緊張感が薄れてしまったように思う。スケッチしていると、昔のあの気分が戻ってくる。 
 
 
イカリソウ


 
ホウチャクソウ

 
西日を受けて

サクラソウの仲間 
 
ムスカリ
 


シュンラン
     記:2008/4/14