星の数ほど




宇宙には、恒星はどのくらいあるのだろう?
人間の目に見える限界の6等星までで、約6000個。暗い星ほど増加率が高くなる。だとすると、星は、宇宙には無限にあるのだろうか?
「星の数ほど」の喩えはあたっているのだろうか?
もし、星が無限にあるとすれば、寄せ集めた星からの光も無限にならないか?そうすると、夜空の暗闇がなくなり、星明かりで空は真昼のようになってしまう。星の数と言えば、昔、ハーシェルという天文学者がいた。
自作の望遠鏡をはじめて星の世界に向けて多くの発見をした人だ。かれは、天の川ひいては今言う銀河系の構造をはっきりさせるために、星を数え始めた。彼は空を2度15分角の区画に分け、合計3500個の区画ごとの各等級ごとの星を数え上げた。そして、銀河系のはじめてのモデルを提案した。ハーシェルは、太陽系が銀河系の中心にあるとしたものの、銀河系の凸レンズ構造をみごとに描き出している。



                        ハーシェルの描いた銀河系



星の数は、いまだに解らないが、宇宙に散らばる銀河の分布を調べた現在の天文学者は、その立体的構造をあきらかにしようとしている。今は5億光年の距離まで(下図)だが、これを一挙に25億光年まで広げようとしている。銀河はグレートウォ−ル(巨大な壁)を作ったり、ボイド(何もない空間)を作ったりしていて、均一に分布してしない。宇宙の進化の謎に世界の天文学者の目が注がれている。


宇宙大規模構造(グレートウォ−ルとボイド)