灯台用レンズ

現在、日本には灯浮標を含めて約5000台の灯台があると言われている。光源としては、白熱電球、アーク灯などが使われているが、遠くまで光が届くようにレンズには工夫がこらされている。一種の凸レンズであるが、面積のある光源を、できるだけ平行に出すために、フレネルレンズ形式が採用されている。フレネルレンズは、厚くて重い凸レンズと違って、薄くて軽いという特徴がある。フレネルレンズのアイデアは、1748年のジョルジュ・ド・ビュフォンに始まると言われているが、発展させて、初めて灯台に取り付けたのは、オーギュスタン・フレネル(1788-1827)である。
室戸岬の灯台は明るさにして100ワット電球約2万個に相当するというから、ものすごい。日本ではじめての洋式灯台は三浦半島にある観音崎灯台(明治2年)であるが、各灯台はそれぞれの特徴を出すために、光の色(白、赤、緑、黄)、違った色を交互に出すもの、光の点滅、フラッシュ間隔などを変えている。

 
最近では、電波を発信する電波灯台も多いという。
左図説明
@は内反射する部分、
Aはフレネルレンズ部分
Bは中央レンズ部分
フレネルレンズ Fresnel lens
 厚さを減らすため、幾つかの同心的な輪帯状レンズで
 構成されたレンズ。

内側から見たフレネルレンズ(犬吠埼灯台)

  
観音崎灯台(昔)
(長岡日出雄著「日本の灯台」より)

 
観音崎灯台(現在)


 日本の主な灯台位置