二十億光年の孤独




二十億光年の孤独 谷川俊太郎

人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする

火星人は小さな球の上で
何をしているか 僕は知らない
(或いはネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくしかたのないことだ

万有引力とは
ひきあう孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う

宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である


 谷川俊太郎のこの詩に出会ったのは、ぼくが星を意識しはじめたころだ。
 詩人の感性ってすごい。今読み返してもインパクトがある。
 20億光年という数字は、今となっては宇宙の歴史からいえば小さすぎるかもしれ
 ないが、それはそれでかまわない。人が宇宙を見るときの感性はいまだに変わっ
 ていないのだから。
 友を求める気持ちはいつまでも大事にしたい!


科学は人間によってつくられるものであります。これはもともと自明のことですが、
簡単にわすれられてしまいがちです。このことをもう一度思い返すならば、しばしば
嘆かれるような人文科学−芸術と、技術−自然科学という二つの文化の間にある
断絶を少なくすることに役立つのではないでしょうか。


● 物理学者ハイゼンベルグは、「部分と全体」の序において上のように述べている。
 分野を越えた文化の創造が今、求められていると思う。
 自分の殻に閉じこもらないで、開いた世界で生きていきたい。
 同じ言葉を、我が子に送る!